2022全文更新版: https://bit.ly/3hcrgtf

 

(原文連結:https://bit.ly/3vxVsEG

前情提要:在聽到小室青岳希望自己娶他的女兒,並繼承道場的用意之後,伊兵衛面紅耳赤地拒絕,並希望就此告辭。

( 為了方便閱讀,會盡量以原文、譯文交錯的形式呈現。如果該段文字前沒有空格,即是該段文字在原文中與上一段屬於同一段,沒有分開。 )

 

「――なんですって」
「これだけは良心に咎めるので申上げますけれども、私には妻があるのです」

  「--你說什麼?」
  「但唯有這件事,不說我的良心實在過意不去,其實我是有妻子的。」


 こんどは青岳が眼をみはった。よほど意外だったらしい、眼をみはってからうっといった。

  這次換青岳瞪大了雙眼。似乎是此事讓他過於意外,他睜大雙眼後不禁發出了「唔」的一聲。


「滝沢の宿にいるのは妻です、したがってお嬢さんを戴くわけにはまいらないのです」
「しかし、貴方は、母親であると」

  「住在瀧澤那間驛站的是我的妻子,因此我是不能娶令嬡的。」
  「可是,你說是母親。」


「いいえ申しません、それは貴方がお考え違いをなすっていたのです、おそらく峠の騒ぎのとき私が、病人を抱えていると申したのを誤解なすったのでしょう、もちろん誤解をなすっていることにはあとで気がつきました、そこは相済まないところなのですが、

  「不,我沒有說,那是您誤會了。山頂那起騷亂時,我是說家有病人需要照顧,恐怕是您誤解了吧。當然,之後我也發現您誤解了這件事情,對此我非常抱歉。

 

私が病母を抱えているために貴方が世話をして下さるものと思い、あの際は御親切に頼るよりほかなかったものですから、そのうち折をみてと」

但因為當時我認為您是看我要照顧生病的母親,才會這麼照顧我,除了依靠好心的您以外,我實在沒有其他辦法了。原先打算之後再找機會向您解釋的。」


「それで知らぬ顔で」と青岳は堪りかねたように云った、「――知らぬ顔で、娘の世話を受けていたのか、半月以上にもわたって」

  「所以你就裝作什麼都不知道。」青岳忍無可忍地說道。「裝作一副什麼都不知道的樣子,接受我女兒的照顧嗎?還接受了超過半個月?」


「気がつかなかったのです、微塵も、そんなお気持とは少しも気がつきませんでした、本当です、これだけは良心にかけて云います、単に御親切からだと思い、じつに恐縮していたんです、これだけは誓います」

  「因為我之前都沒有發現,我絲毫沒有發現您的用意。真的,唯獨這件事我可以摸著我的良心說。我以為只是兩位非常熱情,其實我也很不好意思,唯獨這件事我可以發誓。」


 青岳はなにか云おうとした。しかし言葉が出なかった。伊兵衛は続けた。
「そういうしだいですから、だあれですけれども、私はただいまからおいとまを戴いて、もちろん頂戴した一両二分は、ああそうでした、初めのお話より二分も多く頂戴して済みませんでした、たいへん、ひじょうに有難うございました」

  青岳想說點什麼,卻欲言又止。伊兵衛則繼續說道:
  「情況如此,我也覺得非常那個。我現在立刻向您告辭,當然您給的一兩二分錢也,啊,對了,比當初說好的多拿了二分錢,非常對不起,我非常,非常感謝您。」

 

そこで彼は丁寧におじぎをした、「――あれはすぐお返し致します、こんなことになるとは知らなかったものですから、けがをした馬子たちに分配して来てしまったんです、済みません、すぐにあれしてお返し致します」

說完,他恭敬地向青岳行禮。「那些錢我會立刻歸還,之前不知道事情會變成這樣,就把錢分給那些受傷的馬夫了。對不起,我會馬上那個,然後還錢給您。」


「そんなことは無用です、が、そういうわけならお引止めはしません」
 青岳もまた複雑な眼つきで云った。

  「那種事就不必了。不過,情況如此,我也就不留你了。」
  青岳說話時,眼神十分複雜。

 

怒りが胸いっぱいにこみあげている。されたような、愚弄されたような感じで、がんと一つどなりつけたいのだが、伊兵衛の邪気のない童子のようにあけっ放しなようすを見ると、むしろり慰めてやりたくなり、それがまた肚立たしくなるのであった。

胸口滿是湧上的怒火,這種被欺騙、被愚弄的感覺,讓他想要對伊兵衛嚴厲地斥責一番。但一看見伊兵衛那如孩童般天真、坦率的樣子,便反而想要好好安慰他。這讓青岳更加惱火。


「これからといっても夜になったことだし、明朝早くお立ちなさるがよかろう」
「いえ、お嬢さんに対してもそれはできません、有難いですが、じつにあれですけれど、ただちょっと」

「就算現在要你走,夜也已經深了,你待到明天一早再離開就可以了。」
「不,那就是對令嬡也實在過意不去。非常感謝您的心意,雖然這樣實在有點那個,只要一下就好。」

 

彼はうしろへしさって、「――ほんのちょっとでかけてまいりたいんです、すぐ帰って来て、そしてすぐにおいとまします、ほんの半刻ばかり出てまいりますから」

他將身子向後挪。「真的只要一下就好,我想出去一下。我很快就會回來,然後向您告辭的,只要出去半個時辰左右就好。」


 そして彼は、忙しげに立って、その部屋を出た。すると、廊下のそこに、千草がいた。伊兵衛はどきっとし、

  然後他便急忙起身,退出了房間。沒想到,千草竟站在走廊上,這讓伊兵衛吃了一驚。


「ああこれは、どうも」
 吃りながら、おじぎをした。千草はこちらを見あげた。暗いのでわからないが、泣いていたようなそぶりであり、息づかいであった。

  「啊,妳好。」
  他結巴地問候,向千草行了一禮。千草仰頭看向他,因為光線昏暗看不清楚,但從樣子和呼吸判斷,她似乎正在哭。


「済みません」伊兵衛はくように云った、「――どうぞ勘弁して下さい、どうぞ、ごめんなさい」

  「對不起。」伊兵衛的聲音小到彷彿只有他自己能聽見。「請妳原諒我,拜託了,對不起。」


 子供が母親にあやまるような、哀しげな声であった。千草はなにか云いそうにみえたが、黙って顔をそむけて、力の抜けた歩きぶりで、向うへ去った。伊兵衛はそのうしろへ、もういちどおじぎをしてどこかへ出ていった。

  他的聲音像是孩子向母親道歉般,十分哀傷。千草看起來似乎有話想說,但她靜靜地轉過頭,踏著無力的步伐,向走廊前方離去。伊兵衛對著她的背影再次行禮,然後向某處而去。

 

(待續)

 

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