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前情提要:伊兵衛帶著妻子阿賴離開了瀧澤驛站,路途中伊兵衛不小心把小室青岳原先欲將女兒許配給他的事情說溜了嘴,只得以進入湊巧撞見的茶館為由,試圖轉移話題。
( 為了方便閱讀,會盡量以原文、譯文交錯的形式呈現。如果該段文字前沒有空格,即是該段文字在原文中與上一段屬於同一段,沒有分開。 )
這篇雪上霜的翻譯終於來到了最終章,下一篇文章會嘗試稍微不同類別的翻譯,再請各位賞眼啦~
此処は吉田の宿から西、箕山城下とは反対のほうへ、もう四里ちかくも来ている。滝沢を暗いうちに立ったが、おたよの足を劬って、悠くり休み休み歩いた。途中ちょっと駕籠に乗せたが、大部分は歩いたので、(彼としては)疲れるよりも腹が減ってきたのである。
此處是吉田驛站以西近十六公里的地方,與箕下城下是反方向。雖然離開瀧澤時天還沒亮,但為了不讓阿賴的腳過於勞累,一路上兩人走走停停,速度並不快。途中短暫搭過轎子,但大部分的路途都是依靠步行,因此(對他來說)比起疲勞,倒是肚子餓了。
「おたよにはまったく済まない、どうか勘弁して下さい」
腰掛に掛けて食事の注文をするとすぐ、彼はひそめた声でこう云った。
「我真的很對不起妳,請妳原諒我。」
坐上椅子、點完餐點後,他馬上低聲如此說道。
「やっぱりそうでしたの」おたよは横眼で睨んだ、「――やっぱりその千草という方となにかおありでしたのね」
「果然是這樣嗎?」阿賴斜眼瞪向伊兵衛。「您果然跟那位千草小姐有些什麼吧?」
「ばかなことを云わないで下さい、私はまじめです、こんどこそおちつける、条件もいいし自分でも悟るところがあった、こんどこそおちついて、少しはおたよにも楽な生活がさせられると思ったのに、やっぱりだめになってしまって、じつになんとも、面目ないといっていいか済まないといっていいか」
「請妳別說這種荒唐的話。我是很認真的,打算這次一定要定居下來。小室先生給的條件不錯,自己也領悟了一些道理,我原本以為這次終於能定居下來,讓妳過上安逸的生活的。但我還是搞砸了,我實在是,不知道要說沒臉見妳還是對不起妳比較好了。」
「もうたくさんです、わかっていますわ」
おたよはそっと良人の腕に触った。
「您已經說很多了,我都明白。」
阿賴用手輕輕觸碰丈夫的臂膀。
――あなたはいつも自分の取るものを投げだして、誰かを救ったり庇ったり、仕合せにしてやったりなさる。どうしても、そうなさらずにはいらっしゃれないし、これからもその御性分は変らないでしょう、それでいいのです。おたよはそういうあなたが好きです。そういうあなたとごいっしょに暮すことができれば、それだけでおたよは仕合せですわ。
(您總是將自己的東西施捨給他人,拯救他人,保護他人,使他人變得幸福。無論如何,您都無法不那麼做,之後您大概也不會改變這樣的性格吧。這樣就好了,我喜歡這樣的您,只要能和這樣的您一同生活,只要這樣我就很幸福了。)
彼女はこう云いたかった。しかし、じっさいには逆に、やさしく睨んで、もっと声をひそめながら云った。
「あなたがそんなに仰しゃるのは、本当はやはりその千草という方となにかあったからでございましょう、わたくしにはよく……」
她心裡想這麼說,但實際上卻相反地,溫柔地瞪著伊兵衛,用更小的聲音說道:
「您會這麼說,是因為您與那位千草小姐真的有什麼吧?我非常……」
おたよは言葉を切った。伊兵衛が手で制止したからである。伊兵衛は表のほうを緊張した眼で注視した。
阿賴的話只說到一半,是伊兵衛用手制止了她。伊兵衛注視著店門外的方向,目光十分緊張。
往来をこっちへ、高ごえで話しながら、来る者があった。
街上有一人高聲談話,向此而來。
「なにしろおまえさん、胆石病とくるとひっ傾がった家が地震をくらうようなもんさ、初めは両方の眼の下に茶色のしみができる、こんなふうに、そいつが素人にはちょっとわからない」
「總之我跟你說,得到膽結石,就像是傾斜的房屋遇到地震一樣啦。一開始兩眼下方會出現褐色的斑點,就像這樣子。這事外行人完全不會知道的。」
こう云いながら、二人づれの旅人が、この茶店へ入って来た。伊兵衛はあっといった。一人はまさしくいつかの客だ、年のころは五十ばかり、よく肥えた、血色のいい、商人ふうの男である。
兩名旅人如此聊著,一同進入茶館來。伊兵衛發出了「啊」的一聲,他發現其中一人確實是之前那位客人。是那名年約五十,身材豐腴、氣色紅潤,商人樣貌的男子。
「わからないうちにそれが、その茶色のしみが黒っぽくなってくる」笠と両掛を置き、腰をおろしながら、「――そうなったらおまえさん、もうまるで、まるで」
「在你什麼都還不知道的時候,褐色的斑點會漸漸變黑。」他邊說邊將草帽和擔子放下,坐了下來,又說:「到那時你就完全,完全。」
「やっぱりそうだ、貴方でしたよ」伊兵衛はこう云いながら、立っていって、にこやかに挨拶した、「どうも聞いたような話だと思ったが、またおめにかかれましたね」
「果然沒錯,就是您啊。」伊兵衛如此說著,起身走向那人,親切地與他寒暄。「我就覺得曾經聽過那些話,我們又見面了呢。」
男はこっちを見て、眼をすぼめた。姿が変っているのでわからないらしい。
男子看向伊兵衛,瞇起眼睛端詳。似乎是因為樣貌改變了,他並沒有認出來。
「お忘れですか」伊兵衛は笑ってみせた、「――いつか貴方の荷物を持たせて貰ったでしょう、吉田宿から峠の茶屋まで」
「您忘記了嗎?」伊兵衛露出他的笑容。「我曾經替您提過行李的吧,從吉田驛站到山頂的茶館。」
男は「ギ」という声を出した。「ジ」かもわからない、ともかくそんなふうな声を出し、片手で両掛と笠を掴んだ。
男子發出了「咦」的一聲,也有可能是「呀」。總之他發出了那樣的聲音,單手抓住了擔子與草帽。
「おわかりになったでしょう」伊兵衛はあいそよく云った、「――あのときの私です、面白かったですねえあれは、あの茶屋で頂いた駄賃が石ころに化けたときは」
「您認出來了吧?」伊兵衛親切地說。「我就是那時候的那個人,那時真是有趣呢,您在那間茶館給我的酬勞變成小石子的時候。」
男は颯と消えた。両掛と笠を掴んで、横っとびに外へとびだしたのだが、あまりに敏速なので、消え失せたように見えた。
男子迅雷不急掩耳地消失了。他抓著擔子和草帽,慌忙奔向茶館外頭,但由於動作過於敏捷,看起來就像是消失了一般。
「あっ、もしもし」伊兵衛もあとから追って出た、「もしもし、どうしたんですか」
「啊,請問。」伊兵衛也隨後追了出來。「請問,您怎麼了嗎?」
見ると、男はもう五六丁も先を走っていた。すばらしい速力で、うしろに埃の帯を曳きながら、たちまち小さく、ぐんぐん遠く……。
一看,男子已經跑到五、六百公尺遠的地方。他驚人的速度讓他身後拖曳出一道塵土,很快地他的身影越來越小,越來越遠……
「どうしたんだろう」伊兵衛は後頭部を掻きながら、不審に耐えぬもののように、口のなかで呟いた、「――おかしな人があればあるものだ」
「他是怎麼了啊?」伊兵衛撓著後腦杓,疑惑地在口中自言自語。「世上就是有這麼奇怪的人。」
おたよが出て来て告げた。
「あなた、お支度ができてまいりました」
阿賴出來告訴他:
「老公,午餐已經準備好了。」
(完)
