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2022全文更新版: https://bit.ly/3hcrgtf

 

(原文連結:https://bit.ly/3vxVsEG

前情提要:伊兵衛打開酬勞一看竟是五顆小石子,進店向客人理論卻自討沒趣,他懊惱地離開茶館,仍在猶豫下一步時,聽見身後有人叫住了他。

( 為了方便閱讀,會盡量以原文、譯文交錯的形式呈現。如果該段文字前沒有空格,即是該段文字在原文中與上一段屬於同一段,沒有分開。 )

 

 ふり返ってみると、馬子や駕籠舁きが七八人、なかには息杖や棒などを持って、こっちへ追いかけて来た。かれらはいまの出来ごとを見て、ずうたいは大きいが人間はへぼだ、と思ったらしい。駆けつけて来ると、伊兵衛をぐるっと取巻いて、おそろしく高飛車にどなりだした。

  轉頭一看,原來是有七、八名馬夫和轎夫帶著平時休息時用來倚靠的竹棍和棍棒追了過來。他們似乎是看了方才的事情,認為伊兵衛只是空有塊頭的傻大個兒。一行人追上伊兵衛後,便將他圍了起來,其中一人盛氣凌人地叫嚷道:


「おらあ土橋の権六てえもんだが、うぬはいってえどこの人間だ、どこから流れて来て此処でなにしようとしてやがるんだ、何者だてめえは」

  「本大爺是土橋的權六,你這小子到底是打哪來的?流浪到這裡,到底是想做什麼啊?你到底是什麼東西啊?」


 伊兵衛はおじぎをした。
「どうも済みません、私は三沢伊兵衛という浪人でございまして」

  伊兵衛行了一禮。
  「非常抱歉,我叫三澤伊兵衛,是一名浪人。」


「嘘うつきやがれ」他の馬子の一人が脇から叫んだ、「――おらあ崖下の勘太てえもんだ、いくらおちぶれたって侍のくれなら竹光ぐれえは差してる筈だ、人をめやがって、浪人だと云えばおらっちが腰を抜かすとでも思やがるのか」

  「騙誰啊?」另一名馬夫在一旁叫喊。「本大爺是崖下的堪太。就算你再怎麼潦倒,如果你好歹算是個武士的話,腰間應該起碼要配戴一把竹刀才對。別小看人了,你以為你說自己是浪人,我們就會嚇到腿軟嗎?」


「いえ嘘は云いません、本当に浪人です」伊兵衛は泣きたいような気持で、しかしけんめいに弁明した、「もちろん刀は持っていますが、刀を差していては客がひろえませんので、本当にだめなんです、客がみんな怖がるらしくって」

  「不是的,我並沒有說謊,我真的是一名浪人。」伊兵衛內心無奈得快要哭出來了,卻仍拚命地解釋:「刀我自然是帶著的,只是配戴在腰間的話就沒辦法接客了,真的沒有辦法,客人們看到都一副害怕的樣子。」


「やかましいやい、なにが客だ、おらあこぶの八兵衛てえもんだが、この街道にだって建場てえものがある、旅の客で稼ぐには建場の株を買って、馬子は馬子、駕籠は駕籠の仲間にへえらなけりゃあならねえ、それをうぬはどこの牛の尻尾か知れねえ身で、おらっちに挨拶もしねえで客をひろい、平気な面あしておらっちの稼ぎを横取りしやあがる、さあ云ってみろ、どこの誰に許されてそんなまねをしやあがるんだ」

  「話還真多,什麼客人啊?本大爺是腫包八兵衛,我們這條街上好歹也是有苦力休息站的,你若想要靠旅客賺錢討生活,就得先付錢給休息站,取得做生意的資格才行。而且馬夫必須加入馬夫的團體,轎夫必須加入轎夫的團體才行。你算哪根蔥?連聲招呼也不打就開始接客,還若無其事地搶走我們的生意,來,你說說看,到底是誰允許你這樣做的啊?」


「どうも済みません、まことにどうも」伊兵衛は続けさまに低頭した、「――そういうりがあるとは知りませんでしたし、病人を抱えてほかに仕事がないものですから」

  「非常抱歉,我由衷地感到非常抱歉。」伊兵衛不停低頭道歉。「我不知道有那樣的規矩,再加上家裡有病人需要照顧,又沒有其他工作可以做了。」


「この野郎、まだ云いぬけをするつもりか」
「面倒だ、ぶちのめして山犬の餌食にしろ」

  「你這傢伙,還想找藉口逃避責任嗎?」
  「真是麻煩,把他打暈拿去餵野狗吧。」


 こう喚いたと思うと、いきなり一人が殴りかかった。伊兵衛はそのんで、
「ああ待って下さい、どうかそれだけは」片手を振りながら懇願した、「病人がいるのですから、あやまりますから、あっ危ない、どうかやめて下さい、危ないですから、あっ失礼、どうかもう、お願いです」

  喊聲未落,便有一人突然掄拳攻擊。

  「啊,請等一下,請不要這樣。」伊兵衛單手擒住那人的手肘,並揮舞著另一隻手誠懇地向眾人請求。「我是為了照顧病人才這麼做的,我向幾位道歉,啊,危險,請你們住手,這樣很危險的。啊,對不起,真的,拜託大家住手。」


 口では鄭重にあやまっているし、乱暴をするつもりなどは決してないが、身に付いた武芸はどうしようもない。軽くす手や足が、みな要所に当るので、かれらは四五間もすっとんだり、みごとに転倒したり、こぶの八兵衛などは殺されるような悲鳴をあげたりした。

  雖然伊兵衛嘴上鄭重地道歉,內心也絕無動手的打算,但他無法控制住自己一身的武藝。手腳輕巧地閃過攻擊後,皆攻擊到對方致命的弱點上,有的人被擊飛七、八公尺,有的人被巧妙地擊倒,腫包八兵衛等人非常痛苦,發出了彷彿即將被痛下殺手的哀嚎。

 

それでかれらはますます逆上し、棒や息杖をふるって、前後左右から襲いかかった。

此般情形讓他們更加惱怒,掄著棍棒和竹棍,從伊兵衛的前後左右襲去。


「どうか待って下さい、勘弁して下さい」伊兵衛は哀訴した、「――このとおりです、頼みます、どうかそんな、あっ、ごめんなさい」

  「請等一下,請你們放過我吧。」伊兵衛苦苦哀求道。「真的,拜託你們,請住手,啊,對不起。」


 棒を奪い、息杖を奪った。それらは五本あったが、その五本を両手に持って、おじぎをし、あやまりながら、なおとびかかって来る相手を、右によけ左によけ、さらに大きな声をあげて、
「誰か来て下さい、どうかこの人たちを止めて下さい」と叫びたてた。強いほうが助けを求めているので、脇から見たらよほど面白い光景だったろう。

  伊兵衛從眾人手中奪走了五根棍棒和竹棍,他兩手拿著那五根武器,一邊行禮道歉,一邊左右閃躲襲來的敵人,並大聲喊道:
  「來人啊,誰來阻止這幫人啊。」實力較強的一方竟然尋求他人幫助,從旁看去想必是非常有趣的光景。

 

事実、さっきからのようすを、一人の武士が笑いながら眺めていた。五十ちかい年配で、小柄ではあるがしい躯つきの、眼のするどい男だった。そのするどい眼で、伊兵衛の動作をじっと眺めていたが、もうよかろうという顔つきで、
「手を引け、下郎、控えろ」
 こう叫びながら近よって来た。

其實,有一名武士從剛才開始就在遠處笑著眺望這一切。那名男子年近五十,身材嬌小卻結實強壯,眼神十分銳利。他先前用銳利的目光仔細觀察著伊兵衛的動作,如今的表情,看似已經觀察完畢。
  「住手,你們這群小子,停下來。」
  他一邊喊著,一邊向眾人靠近。


箕山城下の小室青岳だ、やめろ」

  「我是箕山城下的小室青岳,快住手。」


 よほど名の知れた人物なのだろう、小室青岳と聞いて、かれらはさっととびしさった。三人ばかりはぶっ倒れて、死ぬほど苦しげにいでいたが、これらも吃驚してはね起きた。

  男人似乎是遠近馳名的人物,那幫人一聽見小室青岳的名號,便迅速退開。其中約有三人原先倒地不起,在地上痛苦欲死地喘氣,但聞此名號之後,也在吃驚之餘立刻起身。


「おれはあの茶屋にいて、きさまたちの相談を聞いたのであとを追って来た」青岳はきめつけるように云った、「――そしてすっかり見ていたが、このは土地の習慣を知らず、なお病気の母親を抱えて難渋しておる、済まなかったとびておられる、それをしめ、多数をたのんで打ちかかるとは、無法千万なやつらだ」

「我剛才也在那間茶館,聽見你們談論的內容後,便決定跟在你們後面。」青岳指責般地說道:「剛才的事我全都看見了。這位先生不明白當地的規矩,且需要照顧家中生病的母親,生活十分困苦。他也向你們道歉了,你們卻出言辱罵,仗著人多攻擊他一個人,你們實在太不講道理了。」


「もうどうか」伊兵衛は手を振った、「――これは私が悪いのですから」

  「請不要再說了。」伊兵衛揮手。「這都是我不好。」


「いや申さねばわからぬやつらです」
 青岳は会釈を返して、なお烈しく叱りつけた。

  「不,不說明白的話,這群傢伙是不會懂的。」
  青岳點頭回應伊兵衛的勸阻,斥責眾人的力道又多了兩三分。


「きさまらにはわかるまいが、この方は一流の達人だ、本気になられたらきさまら、一人も無事では済まぬところだったぞ、おれがお詫びを申してやる、此処へ来てみんなあやまれ」
  「你們也許不明白,這位先生是一流的高手,若是他拿出真本事,你們沒有一個人能夠平安無事。我會陪你們一起道歉的,你們給我過來向他賠罪。」

 

(待續)

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