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前情提要:縮短鼻子的方法竟是蒸煮過後再用力踩踏鼻子!面對弟子擔心地詢問是否疼痛,內供反倒覺得通體舒暢。
( 為了方便閱讀,會盡量以原文、譯文交錯的形式呈現。如果該段文字前沒有空格,即是該段文字在原文中與上一段屬於同一段,沒有分開。 )
しばらく踏んでいると、やがて、粟粒のようなものが、鼻へ出来はじめた。云わば毛をむしった小鳥をそっくり丸炙にしたような形である。
踩了一陣子之後,鼻子上隨即開始冒出粟粒般的東西,讓鼻子看起來就像是整隻去毛後的烤小鳥一樣。
弟子の僧はこれを見ると、足を止めて独り言のようにこう云った。
――これを鑷子でぬけと申す事でござった。
弟子見狀,便停下腳,自言自語般地如此說道:
「大夫說這要用鑷子夾出來。」
内供は、不足らしく頬をふくらせて、黙って弟子の僧のするなりに任せて置いた。
內供鼓起臉頰,悶不吭聲地任憑弟子處理,似乎有些不滿。
勿論弟子の僧の親切がわからない訳ではない。それは分っても、自分の鼻をまるで物品のように取扱うのが、不愉快に思われたからである。
當然,他並非不知道弟子是出於一片好心,但即便他明白,自己的鼻子遭人如物品般對待,還是讓他心裡很不是滋味。
内供は、信用しない医者の手術をうける患者のような顔をして、不承不承に弟子の僧が、鼻の毛穴から鑷子で脂をとるのを眺めていた。脂は、鳥の羽の茎のような形をして、四分ばかりの長さにぬけるのである。
他的表情宛如接受信不過的醫師動手術的患者般,不情願地注視著弟子用鑷子從鼻子上的毛孔夾出油脂;被夾出來的油脂,形狀如鳥類的羽幹,約有四分長。
やがてこれが一通りすむと、弟子の僧は、ほっと一息ついたような顔をして、
――もう一度、これを茹でればようござる。
と云った。
不久,這個步驟大略結束之後,弟子終於得以喘口氣休息,神情放鬆了下來。
「再把它燙一次就可以了。」
他這麼說道。
内供はやはり、八の字をよせたまま不服らしい顔をして、弟子の僧の云うなりになっていた。
內供的表情依舊不滿,他皺著眉頭,照著弟子所說的去做。
さて二度目に茹でた鼻を出して見ると、成程、いつになく短くなっている。これではあたりまえの鍵鼻と大した変りはない。
就這樣第二次將鼻子拔出蓋子之後,鼻子確實變短了,它從來沒有這麼短過;如此一來,與普通的鷹勾鼻已看不出明顯的差異。
内供はその短くなった鼻を撫でながら、弟子の僧の出してくれる鏡を、極りが悪るそうにおずおず覗いて見た。
內供一邊撫摸他那縮短的鼻子,一邊難為情地窺探弟子手裡拿出的鏡子。
鼻は――あの顋の下まで下っていた鼻は、ほとんど嘘のように萎縮して、今は僅に上唇の上で意気地なく残喘を保っている。
鼻子——那過去垂吊至下巴以下的鼻子,令人不敢置信地萎縮了,如今僅存上唇以上的餘部仍沒出息地苟延殘喘著。
所々まだらに赤くなっているのは、恐らく踏まれた時の痕であろう。
而鼻子上四處浮現的紅斑,恐怕是弟子踩踏所留下的痕跡。
こうなれば、もう誰も哂うものはないにちがいない。――鏡の中にある内供の顔は、鏡の外にある内供の顔を見て、満足そうに眼をしばたたいた。
內供心想,如此一來,自己一定不會再受人恥笑了——鏡中的臉孔盯著他在鏡外的臉孔,心滿意足地頻頻眨眼。
しかし、その日はまだ一日、鼻がまた長くなりはしないかと云う不安があった。
然而,那天內供仍整天忐忑不安,擔心鼻子是否會再次變長。
そこで内供は誦経する時にも、食事をする時にも、暇さえあれば手を出して、そっと鼻の先にさわって見た。
因此不管是誦經時,抑或是用餐時,一得空他便會伸出手,試著輕輕觸碰鼻尖。
が、鼻は行儀よく唇の上に納まっているだけで、格別それより下へぶら下って来る景色もない。
而鼻子總僅是規規矩矩地駐於嘴唇之上,沒有要特別向下垂吊的樣子。
それから一晩寝てあくる日早く眼がさめると内供はまず、第一に、自分の鼻を撫でて見た。
之後內供睡了一晚,隔天一早睜開眼睛,他首先便是試著撫摸自己的鼻子。
鼻は依然として短い。内供はそこで、幾年にもなく、法華経書写の功を積んだ時のような、のびのびした気分になった。
鼻子依舊是短的,內供頓時悠然自得,他已數年不曾如此,此刻的心情猶如他當年達成抄寫法華經之功時一般。
(待續)