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前情提要:為了費盡心思縮短鼻子的內供,一名弟子上京辦事時向熟識的大夫請教了縮短鼻子的方法。
( 為了方便閱讀,會盡量以原文、譯文交錯的形式呈現。如果該段文字前沒有空格,即是該段文字在原文中與上一段屬於同一段,沒有分開。 )
その医者と云うのは、もと震旦から渡って来た男で、当時は長楽寺の供僧になっていたのである。
那名大夫,是一位自中國遠渡而來的男子,當時在長樂寺做供僧,供奉寺裡的主佛。
内供は、いつものように、鼻などは気にかけないと云う風をして、わざとその法もすぐにやって見ようとは云わずにいた。そうして一方では、気軽な口調で、食事の度毎に、弟子の手数をかけるのが、心苦しいと云うような事を云った。
內供聽了弟子問來的方法,一如既往地裝作對鼻子毫不在意,故意不說出他想立刻嘗試該方法的想法;但另一方面,他卻輕描淡寫地表示每次用餐時都要給弟子添麻煩,讓他感到很過意不去。
内心では勿論弟子の僧が、自分を説伏せて、この法を試みさせるのを待っていたのである。
他心裡打的主意,自然是等著弟子來說服自己,讓自己嘗試看看那個方法。
弟子の僧にも、内供のこの策略がわからない筈はない。しかしそれに対する反感よりは、内供のそう云う策略をとる心もちの方が、より強くこの弟子の僧の同情を動かしたのであろう。弟子の僧は、内供の予期通り、口を極めて、この法を試みる事を勧め出した。
而弟子也不可能看不出這內供的策略,然而或許是比起對此產生的反感,內供採取此般策略的心情更加打動弟子的同情心,那名弟子遂如內供的預期,開始費盡唇舌,建議他嘗試那個方法。
そうして、内供自身もまた、その予期通り、結局この熱心な勧告に聴従する事になった。
最後,內供自己也如願以償地在弟子一心一意的勸說下,聽從了他的建議。
その法と云うのは、ただ、湯で鼻を茹でて、その鼻を人に踏ませると云う、極めて簡単なものであった。
那所謂的方法,就只是把鼻子放到熱水裡蒸燙,再讓人踩踏它而已,極為簡單。
湯は寺の湯屋で、毎日沸かしている。そこで弟子の僧は、指も入れられないような熱い湯を、すぐに提に入れて、湯屋から汲んで来た。しかしじかにこの提へ鼻を入れるとなると、湯気に吹かれて顔を火傷する惧がある。
若要熱水,寺院裡的澡堂每天都有燒,因此那名弟子馬上用鍋型水壺從澡堂舀取熱水提來。熱水滾燙,僅是伸入手指都會無法承受,若直接將鼻子伸入水壺中,恐怕臉部會被蒸騰的熱氣所燙傷。
そこで折敷へ穴をあけて、それを提の蓋にして、その穴から鼻を湯の中へ入れる事にした。
因此內供決定先在方形木盤上打洞,以其作為水壺的蓋子,再從孔洞中將鼻子伸入水裡。
鼻だけはこの熱い湯の中へ浸しても、少しも熱くないのである。しばらくすると弟子の僧が云った。
――もう茹った時分でござろう。
只有鼻子,即使浸入這滾燙的熱水之中,也不會感到絲毫炙熱。不一會兒過後,弟子說道:
「應該已經蒸熟了。」
内供は苦笑した。これだけ聞いたのでは、誰も鼻の話とは気がつかないだろうと思ったからである。
內供不禁苦笑,他心想旁人若只聽見這句話,大概誰也不會察覺到是在說鼻子吧。
鼻は熱湯に蒸されて、蚤の食ったようにむず痒い。
他的鼻子被熱水蒸燙過後非常刺癢,像是被跳蚤叮咬過一樣。
弟子の僧は、内供が折敷の穴から鼻をぬくと、そのまだ湯気の立っている鼻を、両足に力を入れながら、踏みはじめた。
內供從木盤上的孔洞中拔出鼻子後,弟子隨即開始用雙腳奮力踩踏他那還冒著熱氣的鼻子。
内供は横になって、鼻を床板の上へのばしながら、弟子の僧の足が上下に動くのを眼の前に見ているのである。
內供則橫臥,一邊將鼻子鋪平在地板上,一邊看著弟子的雙腳在眼前上下動作。
弟子の僧は、時々気の毒そうな顔をして、内供の禿げ頭を見下しながら、こんな事を云った。
――痛うはござらぬかな。医師は責めて踏めと申したで。じゃが、痛うはござらぬかな。
弟子有時會露出過意不去的表情,他俯視著內供光禿的頭頂,如此說道:
「您不會痛吧?因為大夫說要用力踩,盡量折磨它才行,我才這麼用力。但您不會痛吧?」
内供は首を振って、痛くないと云う意味を示そうとした。所が鼻を踏まれているので思うように首が動かない。
內供試圖搖頭,表示自己不會痛,然而卻因為弟子正在踩踏他的鼻子,導致脖子無法自在地轉動。
そこで、上眼を使って、弟子の僧の足に皹のきれているのを眺めながら、腹を立てたような声で、
――痛うはないて。
因此,他僅將目光向上,一邊看著弟子龜裂的雙腳,一邊用憤怒般的聲音回答:
「不會痛啦。」
と答えた。実際鼻はむず痒い所を踏まれるので、痛いよりもかえって気もちのいいくらいだったのである。
其實,因為鼻子很癢,被踩了之後,內供比起疼痛,反倒覺得通體舒暢。
(待續)
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