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不知不覺也來到了《鼻》的終篇,

我覺得內供是一個孤獨的人,內心的苦楚無人能夠真正理解,也沒有傾訴的對象。

而這樣的他,在這篇故事中會迎來什麼樣的結局,就讓我們繼續看下去吧~

 

另外,《鼻》的全文版也已經整妥,有意從頭捋過的朋友也可以看看喔↓↓↓

https://bit.ly/3yrtrPQ

 

(原文連結: https://tinyurl.com/y6fcj8uv 

前情提要:察覺他人笑意更甚以往的內供十分不悅,每天心情越來越差,開始無差別地斥責周遭所有人。

( 為了方便閱讀,會盡量以原文、譯文交錯的形式呈現。如果該段文字前沒有空格,即是該段文字在原文中與上一段屬於同一段,沒有分開。 )

 

殊に内供を怒らせたのは、例の悪戯な中童子である。

而尤其惹怒內供的,是先前提到的那名淘氣的中童子。

 

ある日、けたたましく犬の吠える声がするので、内供が何気なく外へ出て見ると、中童子は、二尺ばかりの木の片をふりまわして、毛の長い、痩せた尨犬を逐いまわしている。

某天,內供聽見喧鬧的狗吠聲,沒有多想便出去外頭查看。一看,發現那名中童子正揮舞著一片約二尺長的木片,四處追趕一隻消瘦的長毛狗。

 

それもただ、逐いまわしているのではない。「鼻を打たれまい。それ、鼻を打たれまい」と囃しながら、逐いまわしているのである。

而且,他不只是追趕,還一邊與旁人齊聲嘲弄著:「不要被打到鼻子喔,喂,不要被打到鼻子喔。」

 

内供は、中童子の手からその木の片をひったくって、したたかその顔を打った。木の片は以前の鼻持上げの木だったのである。

內供將木片從中童子手中奪去,狠狠地打在他的臉上,並發現,那木片竟是以往用來提起他鼻子的木板。


 内供はなまじいに、鼻の短くなったのが、かえって恨めしくなった。

  內供反而對鼻子縮短一事有些怨恨了起來。


 するとある夜の事である。

  沒想到,某天夜裡發生了一件事。

 

日が暮れてから急に風が出たと見えて、塔の風鐸の鳴る音が、うるさいほど枕に通って来た。

那天貌似日落之後隨即颳起風,吹響了佛塔上的風鈴,鈴響聲劇烈,甚至傳至了內供的枕邊。

 

その上、寒さもめっきり加わったので、老年の内供は寝つこうとしても寝つかれない。そこで床の中でまじまじしていると、ふと鼻がいつになく、むず痒いのに気がついた。

此外,加上氣溫驟降,使上了年紀的內供輾轉難眠,因此他在被褥上不停地眨眼。突然,他感到鼻子很癢,從來沒有那麼癢過。

 

手をあてて見ると少し水気が来たようにむくんでいる。どうやらそこだけ、熱さえもあるらしい。

試著伸手一碰,發現鼻子浮腫,上頭似乎有些水氣,甚至彷彿只有那裡在發熱。

 

 ――無理に短うしたで、病が起ったのかも知れぬ。

  「因為我硬是縮短了它,搞不好弄出病了。」
 

 内供は、仏前に香花を供えるような恭しい手つきで、鼻を抑えながら、こう呟いた。

  內供一邊以在佛前上香、獻花般的恭敬手勢壓著鼻子,一邊如此低語。


 翌朝、内供がいつものように早く眼をさまして見ると、寺内の銀杏や橡が一晩の中に葉を落したので、庭は黄金を敷いたように明るい。

  隔天早晨,內供一如既往地早早睜開眼睛後,發現寺院內的銀杏樹與七葉樹在一夜之間樹葉盡落,因此現在庭院如鋪設了黃金般閃耀。

 

塔の屋根には霜が下りているせいであろう。まだうすい朝日に、九輪がまばゆく光っている。

大概是因為霜露降在佛塔的屋頂上的緣故,塔上的九輪在微微旭日的照射下顯得光彩眩目。

 

禅智内供は、蔀を上げた縁に立って、深く息をすいこんだ。

  禪智內供立於設有木格子窗的走道上,深深吸了一口氣。


 ほとんど、忘れようとしていたある感覚が、再び内供に帰って来たのはこの時である。

  此時,內供先前險些打算忘卻的某種感覺,再次回到了他的身上。


 内供は慌てて鼻へ手をやった。

  內供急忙伸手摸向鼻子。

 

手にさわるものは、昨夜の短い鼻ではない。上唇の上から顋の下まで、五六寸あまりもぶら下っている、昔の長い鼻である。

他的手所碰到的,並非昨晚的短鼻子,而是過去那從上唇之上垂吊至下巴以下,長達五六寸的長鼻子。

 

内供は鼻が一夜の中に、また元の通り長くなったのを知った。そうしてそれと同時に、鼻が短くなった時と同じような、はればれした心もちが、どこからともなく帰って来るのを感じた。

內供察覺到自己的鼻子在一夜之間回復到了原本的長度;與此同時,他也感受到與鼻子縮短時相同的那股爽朗心情,不知從何方歸來。


 ――こうなれば、もう誰も哂うものはないにちがいない。

  (這麼一來,一定不會再有任何人嘲笑我了。)


 内供は心の中でこう自分に囁いた。長い鼻をあけ方の秋風にぶらつかせながら。

  內供在心中對自己如此說道;同時,長鼻子在黎明的秋風中擺盪。

 

(大正五年一月)

(大正五年一月)

 

(完)

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